カムバック!片倉雄一−その2−

<コインボックス〜2点紹介〜>

サワボックス&フーマンチューボックス

 前記事で 片倉さんは あまり コインボックスをやらなかったようだ。と書いたのですが 遺品の中には 中々珍しいコインボックスが あったりします。

 写真のボックスは サワボックスと フーマンチューボックスです。

サワボックスは 名前の通り 沢浩さん考案のコインボックスで 「この奇術は、12年間世界のどの奇術家にも見破れなかったものである。」のキャッチフレーズで商品化されたものです。

 片倉さんの ノートに沢さんのレクチャー受けたときのものがあったり 沢さんのサイン入りの本が遺品にあります。 なので 沢さんのことは 好きなマジシャンの一人であったと思われます。
 サワボックスも 商品化のときに購入はしたものの あまりやらないアイテムだったためか綺麗なまま残っています。説明書も そのまま あります。
 ボクも実は サワボックスは所有していて かなり使用して ギミックも一回修理しているくらいなので この片倉さんの遺品の新しいサワボックスは うれしいかぎりです。


 フーマンチューボックスのほうは 多少使用された形跡があったりします。こちらは ボックスにいれたコインが水に変わるという 特異な現象専用のボックスです。
 ギミック部分が 普通は機械的にカチッと入るはずなのですが その部分が うまくいきません・・・
 よぉーーくみると ギミック部分に かすかに ワックスつけたような汚れがあるので 実際には ワックスつけて対応していたようです。
 もともと そういう方法のボックスだったのか ギミックが弱ったのかは 説明書がないので わからないのですが・・・
 ハーフダラーのフーマンチューボックスは 所有していなかったので これもありがたく使用させていただくことにします。

 同現象を起こす 「ヒラタボックス」という平田旭人さん考案のボックスもありましたが 多分 こちらの フーマンチューボックスのほうが シンプルで 使いやすいと思うのですが・・・(平田さん すいません;;)


 もし ボクがこれらを使ったマジックを見る機会がありましたら それは きっと片倉さんの遺品を 使っているのです。



<幻の名刺>

KandA名刺

 今回は マジック道具でも ノートでもありません。 名刺の紹介です。

 写真の名刺(住所と電話番号は ぼかしてあります。)をみて その会社名に心当たりある方は なかなかの熟年マジックマニアかと思われます。
 「マジックスタジオK&A」というのは トリックスのディーラーさんであった 安田明生さんが 創られた会社です。

 記憶にある商品は 「わたしの名刺入れ」というZタイプの名刺入れ。「KandA」というマジック雑誌。「アラカタックコインパース」これは 片倉さん考案のコインパース。くらいで いつのまにか 安田さんとともに 消えてしまった会社です。
 安田さんは 消息不明なようで ご存知の方いらっしゃったら 情報がほしいとこです。

 ボクは 片倉さんは アイデアだけ 提供していたのだと思っていたのですが 遺品の中にこういった名刺があって ちょっと 驚いたものでした。
 安田さんが 片倉さんを 誘っていたのかなとか 想像したりしました。
名刺まで つくったのだから 会社できたころは 気合はいっていた様子が なんとなく名刺から うかがえます。

 消息不明の安田さん なくなった会社「K&A」 そして 片倉さん・・・。
 すべてが成功するわけではないのですが ちょっと物悲しい過去を感じさせる遺品でした。


 ちなみに 自前でもアラカタックコインパースは2つ所有してて さらに今回の遺品の中にもあったので ひとつは自分用に とってあります。
 パースの裏には 「K&A」の刻印がされています。

*アラカタックコインパースは すでにマジック記事にあるので よろしかったら 「アラカタックコインパースとの再会」をご覧ください。




<エースをして語らしめよ>

あなたの名刺入れ

 ちょっと 仰々しい雰囲気の題名ですが 片倉さん考案のマジックの題名です。
こういう題名も 片倉さんっぽい気がするのですが。
 掲載されているのは 写真の”あなたの名刺入れ”のテキストです。
写真の名刺入れは ボクの自前です。 テキストのほうは 片倉さんの遺品です。
 前出のK&A社で 発売された ”あなたの名刺入れ”のテキストとして 別売されたものです。
 名刺入れは 「よしだはじめの〜」と書かれてますので よしださんが考案なのでしょうが テキストを読むと もともとの原案は 片倉さんのようなのです。

 「この名刺入れは 1982年10月片倉雄一氏が 「ヒンバーワレット」に仕切り板を入れたものを見せてくれたことにはじまります。」と よしださんの 言葉がかかれてます。

 テキストも作品は ほとんどが片倉さん考案のものです。
 この名刺入れは K&Aの安田さんが 横浜で ディーラーされていたころ 買った(買わされた?)ものですが 付属の説明書のマジックも この名刺入れのギミックも あまり気にならずに ほとんど パケットトリック入れと化していたのですが このテキストを 読んで 「え? こうやって 使うのか・・・」 と目から鱗がとれたようでした。

 その 鱗がとれたのが 題名の「エースをして語らしめよ」というマジックです。
現象だけ紹介します。

 @デックをひろげてカードを1枚選んでもらい表にサインしてもらいます。
 Aサインしたカードを名刺入れの手前ポケットにいれます。カードは半分ほど見えています。
 B名刺入れの奥ポケットから 4枚のカードを出し それが4枚のAであることをしめします。
 Cおまじないをかけると 1枚のAが裏向きになります。 それは客の選んだカードと同じスートのAが裏向きになります。
 D客に 選んだカードの数を聞くと同時に 裏向きのカードを表にすると客のカードに変わっています。サインもあります。
 E先ほどの名刺入れをみると 半分ほど見えていた客のカードが消えています。
 Fさらに 奥のポケットから 裏向きになったはずのAが 出てきます。


 といった現象です。

これを読んで 最初にあった 仕切り板の必要性 それを うまく使ったマジックで原案者が片倉さんであることも うなずけます。
 題名のつけかたも らしくて いいです。
自分所有だった 名刺入れも 20年たってようやく本来の使用法ができました・・・

<木製ウォンドは 木製カップのもの>

木製カップ&ボール

 今年になって なぜか ウォンドを2本も破損させてしまいました。2本とも端の頭の白い部分が 割れたり取れたり・・・
 やむなく使用していたのは ミカメ製のちょっと長い目のウォンド。ステージでは いい大きさなのかもしれないが クロースアップでは ちと長め。新しいの買おうかと 迷っていたのですが なんと片倉さんの遺品の中にウォンドが 数本。

 これは 使わなければと 数本のウォンドを 眺めます。
とある 木製のウォンドに目がいきます・・・全部木製。 普通は両端のところが金属だったり白い樹脂だったりするのですが ぜーーーんぶ 木です。
 しかも 端のところのラインは 木に溝がついているだけ・・・ リングもはまってません。
 なんとなく 違和感を感じるウォンドです。

 しかし ある日 遺品の中にあった カップ&ボールを 何気にとりだして 練習でもしてみようかという気になりました。
 そのカップは木製です。
 練習するのに ウォンドが 手元になかったので 箪笥のなかに探しにいったのですがそのときに ピンときて 思い出しました。
 あの木製ウォンドは このカップとセットだったのではないだろうか・・・と。

 そう思うと カップとウォンドの木目も あっているように思えます。写真を見てください。なんか よくマッチしてると思いませんか?
 間違いなく セットだと確信しました。

木製カップとくれば ミカメクラフトを思い出しますが いまのミカメクラフトのサイトには木製カップはないようです。
 知り合いのマジシャンいわく 三瓶さんは 試しにつくったようなのも 懇意にしてた人にあげちゃうこともあったようだということです。

 きっと 三瓶さんが 片倉さんに あげたのではないだろうかと 勝手に思うことにしました。 そして ボクのとこにやってきたと・・・


 今度 このカップとウォンドで 演技してみることにします。 ただ練習した感じでは 金属製カップのほうが 重みがあってやりやすいかもしれませんが 三瓶さん 片倉さんのカップなら使わないわけには いきません。




<まぼろしの製品かな・・・?>

Zタイプワレット

 遺品のなかに 写真のZタイプのワレットが 30個以上ありました。

オフ会のときに 全部 分配してしまったのですが 自分用にも ひとつは確保。
 よくみてみると 「「あなたの名刺入れ」と同じ構造の仕切りがあるのです。
入ってる箱も 白い箱・・・ トリックスのなら 黒と赤のはず。 アラカタックコインパースと同じような箱にはいっているので おそらく「K&A」社の製品と思われます。
 お値段も 8800円と かなり高額。


K&A社創立のころは 安田さんとこに よく行ってたので 「NANDA」「アラカタックコインパース」「あなたの名刺入れ」と購入したので このワレットが そのころ製品としてあれば 買わないまでも 薦められていたはず・・・ と思うのですが このワレットは記憶にないのです。


 ということは 販売するまえに K&Aが なくなってしまったのかと 思ったりします。
 ワレットには 「あなたの名刺入れ」にあるような K&A社の刻印もはいってません・・・
 片倉さんのとこに 30個以上 安田さんとこには もっとあったのかもしれません・・・
 ワンロットで 100個くらいの製造でしょうから やはり 販売前のまぼろしの製品だったのかもしれないなと 思いながら ちょっと感傷的になったりしました。


<猫の声 実践編>

レインボーカードと猫予言

 その1の2に記事でかいた<お気に入りの猫の声>を実際にやってみましたので その報告編です。

 まず 猫の声のするおもちゃの加工ですが ノートには箱に入れるとなってるのですが 実際に箱にいれてやってみると 問題がひとつ発生しました。
「にゃぁ〜」という声が こもってしまって 小さくなり聞き取りにくいのです。おもちゃをそのままで 使用する音からみると 感覚的に半分以下。

 そこで いろいろ考えたあげく 写真のように 和紙でまわりと上だけ覆って 穴のある部分は そのままにします。 上に直接「予言」の文字を書いて 原案では 箱の裏に予言を書くのですが 1枚のカードをテーブルにおいて そのうえに「重し」として「予言」の文字がはいった このおもちゃを置くことにします。
 さほどの違和感は ないと思うのですが どうでしょう。

 さて 次は カードですが 原案は 乗り物や動物の描かれたカードとなってますが 調べてみると 意外に いいものが 見つかりませんでした。
 というのも せっかくなので 猫の絵柄は かわいいほうがいいとか 思ったりするので 余計に 見つからないのかもです。

 片倉さんの遺品のなかに レインボーデックが 2つほどあったのを思い出し その裏の絵柄を 見てみます。・・・ と 都合いいことに キャラバンのレインボーデックの裏模様に 猫の絵が・・・。


 原案から すこし改案になりますが こんな感じで 演じてみました。

1.青裏キャラバンを取り出し 箱から出します。(裏は普通の青裏)
2.予言をするといい 1枚のカードを裏向きに テーブルに置き 見られないようにといって 予言と書かれた 丸い筒を カードの上に置きます。
3.デックを表にしてひろげ いろいろなカードがあることを示し 表のまま リフルしてストップをお客様にかけてもらいます。
4.そのカードを表のまま テーブルにおき デックも 表向きのまま テーブル脇に置きます。
5.予言があっているかどうかみてみましょう。 といって 予言のカードを引き出して 表にすると 表は真っ白です。
6.実は 表じゃなく 裏を予言したんです。 といって テーブル脇のデックを裏返し スプレッドすると いろいろな模様があります。 裏がいろんな絵になってるんですよね。 といいながら あなたの選んだカードの裏は・・・ といって 裏返して見せます。
7.お客さんに 選んだカードは 何の絵ですか? と聞いて 「猫」と答えると すぐ予言の筒をひっくり返すと 「にゃぁ〜」と 声がします。


 と こんな感じでやっています。

 デックの裏側が いろんな色になっている時点で 一回驚きますが デックカラーチェンジがメインのマジックではないので デックを箱からだして フラストレーションムーブなどで「裏は青ですよ」と強調したりすることは しなくてよさそうです。

 予言のブランクカードも ジョーク風に演じるなら 表に「あなたの選んだカードと同じ」とか 「あたり」とか 書いておくのも よくやる方法です。

 実際に何回かやってみましたが やはり「にゃぁ〜」と鳴く瞬間に 笑ってもらえ なんとなく ほのぼのムードのマジックで 評判いいです。

 是非 持って帰ったかたは やってみてくださいな。


<片倉流 読心術>

胸カード

 メンタルマジックで マジシャンAが客にカードをひいてもらって 部屋の外にいるマジシャンBがカードを言い当てるという読心術を模したマジックがあります。
 いろいろな方法があるのですが たとえばマジシャンAが客の引いたカードをみて Bにかける言葉の符牒で カードの種類をそっと伝たりするものもあります。

 片倉さんのノートにも 同じテーマの解決法で 実際にかなり実践されてたものがあります。
 それ読んで この手の分野は あまり詳しくないのですが 自分的には 目から鱗がとれたようでした。

 こういう方法です。
よくシャッフルしたデックを Aが持ちます。 で Bに部屋のそとへでてってくれと言いますが そのときにBはAの持っているデックのボトムカードを覚えます。
 ここで 重要なのは Aはデックをみてないのです。
 Bが 外へでたら Aは 客にボトムカードをフォースします。 あとは 部屋外のBに声をかけて さきほどのボトムカードを言ってもらえばいいのです。
 ここでも Aは 客のカードを見る必要もなく Bに声かけるのも客にやってもらえることです。  意外に盲点だった方法な気がしますが どうでしょうか?
 このメモは1973年のメモです。

 バリエーションとして 声かける前に 選びおわった後に Bが ボトムカードと同じカードを 胸ポケットに表向きに 万年筆などで とめて いきなり入室するという方法も実践しているようです。
 写真は その説明のメモの部分です。


 これも片倉さんが 高校生のころのノートで いっしょにこのマジックを実践したのは片倉さんの当時の友人の Oさんという方だそうです。
 Oさんは いまは どうしているのでしょう。


<キラキラ ウォンド>

キラキラウォンド

 前の記事で 木製ウォンドと木製カップの話を書きました。
そのウォンド以外にも いくつかのウォンドが 遺品の中にあります。
 おりしも 自前の使っていた ウォンドが 2本つづけて 折れてしまったので内心 よかったと 思ったものでした。


 木製ウォンド以外のウォンドは どんなものがあるかというと・・・・
@白いウォンド
  ずっしりといて しかも 布製の入れ物付きです・・・高そうです。 先端の金属部が はずれるようになっていて はずすと ライターになっています。
 いかにも 片倉さんの持ち物っぽいです。きっと これで 咥えたタバコに火をつけたりしたのでしょう。

A 黒いウォンド両端は白
 定番のウォンドでしょうか。 オーソドックスっぽさも 片倉さんの持ち物っぽさを感じます。

B 透明アクリルのウォンド
 ちょっと クールな感じで これで カップ&ボールやると かっこよさそうです。 これも片倉さんの持ち物らしいです。


 と・・・ もう一本が 写真のウォンド。

透明な棒のなかに 液体がはいって キラキラしてる 星は月型の金属片 ラメみたいなの・・・ウォンドを 傾けると ラメなどが ゆらゆらと 落ちてきます。
 しかも ラメの色は ピンクです;;
 なんか メルヘンチックです。
 これは どうみても 片倉さんっぽくないと 思うのですが・・・


 これを つかって カップ&ボールなんぞやる片倉さん・・・ 見たいような 見たくないような・・・ 複雑な気持にさせる遺品です。


<辞書がない>

ABCDカード

 片倉さんのノートには 人にみせてもらったマジックのことも書かれています。中に 「ついにタネが見抜けなかったが ばかばかしいほど簡単」と書かれてるものがありそのアイデアに感銘したので ノートに記したのだと思われます。

 それは いわゆる 辞書テストなのですが いまとなっては そのトリックも有名なので タネをご存知の方も多いでしょう。

 こういう トリックです。
1.マジシャンは サイコロを3つと 英和辞典 アルファベットの書かれたカード一組をだします。
2.サイコロは 実際にあっても架空でも かまいません。 客にふってもらって 3つのサイコロの目を自由にならべてもらいます。
3.たとえば 3,1,2であったら 312でもいいし 213でも OKです。好きな並びのページ数で 英和辞典を客に開いてもらいます。
4.マジシャンは アルファベットカードから 何枚かカードをだして 裏向きにテーブルに ならべます。
5.客は さきほどのページ数をあけ さきほどのサイコロの3つの数字を足します。その足した行数目の単語を 確認します。
6.マジシャンがテーブルにだしたカードを表むけると まさにその単語になっています。

 という内容です。
遺品を捜すと 写真のように 九州奇術と書かれた箱に このマジック用のアルファベットカードがありました。

 片倉さんも 気に入って購入したのか その方から 譲っていただいたのか わかりませんが なかなか 気に入っていたのでしょう。

 おそろしく シンプルなネタと ノートには書かれています。 そして 偶然にも 片倉さんが このマジックを見せてもらったとき 彼の選んだ単語は 「SIMPLE」だったのだそうです。

  しかし カードはあっても これに使う辞書がみつかりません・・・ だれか どの辞書をつかえばいいか 教えてくださいませ。



<謎のギミックコイン>

謎コイン

 遺品の中には 自分の知識では 使用法がわからないものが いくつもあります。
写真のギミックコインも 使用法不明なものです。

 構造は 1セントに ものすごく小さい1セントが 直角に 指輪のように半田付けされたものです。
 ついでにいうと 本来の1セントは レギュラーではなく S です。


ひとつの 考えとして 小さくなるコイン用のギミックかと 思えます。 Sの中に レギュラーと 半田付けした小コインの中間の大きさの 1セントをいれておいて 順番に表す。
 と 思ったりもしましたが ハンドリングが うかびません。  そんなことするより ダブルSのほうが 楽だと思ったりします。


 それとも 全然違う 思いもつかない使用法があるのでしょうか・・・?

  遺品のギミックを前に 片倉さんに 使用法聞けたらなぁと しみじみ 思ったりします。

 この記事みた方で 使用法 知ってるかた 教えていただけないでしょうか?


「カムバック!片倉雄一 目次」へ戻る
「カムバック!片倉雄一 ーその1−」へ移る
Internet Explorer 5.0以降でご覧ください。
inserted by FC2 system